株式会社加島屋 登録商標
日本酒「惣花(そうはな)」

惣花は日本酒の銘柄が数ある中で伝統と格調ある宮内庁御用酒です。

惣花の由来

江戸時代、青楼・花柳界方面で新春やお盆等の祝い事や、

更衣季節等に馴染み客が店の一同にもれなく祝儀を振舞う習慣を指すもの。

転じて「すべての関係者に利益と愛を与えること」の意で用いられる幸福に

溢れる言葉です。

SOHANA means LOVE FOR ALL

商標記載文字

【めでたいと けふ(今日)も朝から大祝ひ】(歌:作者不明)

【繭玉】は、熊手同様の縁起物で千客万来の福招き商売繁盛を表す。

【窮理発明】は、自ら自賛して恥じないという意味。

惣花の歴史

誕生と継承

江戸後期、弘化2年(1845年)、灘酒の祖と称される岸田忠左衛門は丹波杜氏流の酒造法を独自に発展させ、その集大成として極上の銘酒を完成させました。この珠玉の酒は、当時の有力な酒問屋であった廣岡助五郎(加島屋)に譲渡され、加島屋がその独占販売権(一手捌き)を得ることとなりました。

この時代、加島屋は単に酒を売るだけではなく、灘の西郷(現在の西宮市の一部)に自前の酒蔵を所有し、そこで「惣花」を製造していました。上質な酒造りから流通まで一貫して手がけることで、その品質を厳格に管理していたのです。

公的な認知と評価

明治17年(1884年)には、日本で初めての商標条例が施行されます。加島屋はこの機会に「惣花」の商標登録を行い、その名称と品質を法的に保護しました。これは当時としては先進的な商業戦略であり、ブランドとしての「惣花」を確立する重要な一歩でした。

さらに「惣花」の品質の高さは公的にも認められ、明治41年(1908年)から昭和8年(1933年)までの長きにわたり、内務省衛生試験所の酒精飲料分析表において「清酒標準酒」として選抜されていました。これは「惣花」が当時の日本酒の模範的存在として、科学的にも評価されていたことを示しています。

事業転換と継続

明治45年(1912年)、加島屋は経営戦略の転換を図り、自社での酒造業を廃止して酒問屋業に専念することを決断します。これを受けて翌大正2年(1913年)からは、西宮酒造(現在の日本盛株式会社)が「惣花」の製造・瓶詰め(詰元)を担当することとなりました。この提携によって「惣花」の伝統的な品質は守られつつも、さらなる発展を遂げることとなったのです。

【惣花酵母】

惣花ならではの旨味、香りを醸すためだけに産み出された、惣花の為だけに使用する特別な酵母。

【製法・特徴】

岸田忠左衛門が考案した「ギリ酛」という酛を用いて、摂州産の酒造好適米「山田錦」と灘の名水「宮水」の最高条件を揃え、丹波杜氏伝承の技を活かして甘・酸・辛・苦・渋の五味が見事に調和した他にはない芳醇な香りと旨味のあるお酒です。

超特撰 惣花 純米吟醸

原材料:米・米こうじ

使用米:山田錦他 酒造好適米
精米歩合:55%
アルコール分:15.0度以上16.0度未満
日本酒度:マイナス4.0
酸度:1.6
アミノ酸度:1.4

◆オススメの飲み方◆
冷や又は常温、ぬる燗などの幅広い温度帯でお愉しみ頂けます。

冷や常温 → ”芳醇な香り” と ”すっきりさ”

ぬる燗  → ”ふくよかで華麗な香り” と ”旨味の深さ”

超特撰 惣花 純米大吟醸

原材料:米・米こうじ
使用米:兵庫県特A地区産山田錦
精米歩合:38%
アルコール分:15.0度以上16.0度未満
日本酒度:マイナス6.0
酸度:1.6
アミノ酸度:1.6

◆オススメの飲み方◆

食前酒など冷やしてお飲み頂くのがベストです。

果実のようなフルーティーな香りと共に、米の柔らかな甘みと旨味を醸し出した最高級酒です。余韻が長く続き、記憶に残る味です。

宮内庁御用達制度について

この制度は明治24年(1891年)に誕生し、昭和29年(1954年)に正式に廃止されました。

以下には歴史的事実として記載しています。

弊社は新川の地で創業以来、格式ある酒商として宮内省(当時)御用達を務める栄誉に浴していました。酒問屋の町として栄えた新川において、弊社は特に品質と信頼を重んじる商いを続けてきました。

制度が正式に確立された後の明治32年(1899年)には、弊社の誇る清酒「惣花」が宮内省御用達のご下命を賜りました。これは単なる商取引を超えた、皇室からの特別な信頼の証でもありました。

昭和15年頃になると、第二次世界大戦の影響で戦時統制令が敷かれ、酒類の販売も厳しい統制を受けるようになりました。しかし、この困難な時代においても「惣花」は特別な御用酒として認められ、弊社(加島屋)より宮内庁へ直接販売することが特別に許可されていました。これは当時の混乱期においても、弊社の酒の品質と信頼性が揺るぎないものとして評価されていた証です。

戦後、昭和34年(1959年)には、さらに栄誉ある出来事がありました。当時の皇太子殿下(後の平成天皇)の御結納品として「惣花」がご下命を賜りました。皇室の重要な儀式に弊社の酒が選ばれたことは、何にも代えがたい名誉でした。

このような歴史を経て、宮内庁御用達制度自体は正式には廃止されましたが、弊社は現在も宮内庁御用達として御用を勤めさせていただいております。長い歴史の中で培われた品質と信頼は、今日まで脈々と受け継がれ、弊社の誇りとなっています。